皆さんこんにちは。のら保健師のネコケンです。
新人保健師の皆様、いよいよゴールデンウィークですね!
4月の怒涛のような業務量、新しい環境……。圧倒的な情報量に晒され、脳がヘトヘトに疲れ果てている頃ではないでしょうか?
まずはこの1ヶ月、本当にお疲れ様でした。
さて、今回も「脳のくせ」を知ることで、自分を守り、そして支援の質を高めるためのお話をしていきたいと思います。
今回のテーマは、「情報の質と選択(インフォメーション・ダイエット)」です。

1. その情報は「砂糖」か「プロテイン」か?
保健指導でも「食事の質」のお話をすることがあると思いますが、実は私たちが日々取り入れる情報にも、「GI値(血糖値の上がりやすさ)」のような指標があります。
- 高GI情報(脳の砂糖):
SNSのバズ、刺激的な速報、感情を煽る短い投稿。
これらは脳を即座に刺激し、一時的な満足感を与えます。「分かった気」にはなりますが、すぐに集中力が切れ、さらなる刺激を求めて無限スクロールが止まらなくなります。 - 低GI情報(脳の筋肉):
体系的な書籍、専門的な論文、自分と向き合う内省。
最初は「噛みごたえ」があり、少し億劫に感じるかもしれません。しかし、これらはゆっくりと吸収され、自身の「思考のOS」を確実にアップデートしてくれる一生モノの知恵になります。
疲れている時ほど、脳は手軽な「砂糖」を欲しがります。
しかし、大量のジャンク情報を摂取しても、脳の「飢え」は満たされません。むしろ認知的疲労が蓄積していくのです。
2. 脳の省エネモード:システム1の罠
人間の脳は本質的に「省エネ」が大好きです。
これを行動経済学者ダニエル・カーネマンは2つの思考モードで説明しました。
- システム1(速い思考): 直感的で無意識、エネルギーを使わない「受動的」なモード。
- システム2(遅い思考): 論理的で意識的、エネルギーを消費する「能動的」なモード。
SNSを眺めて反射的に感情を動かしている時、私たちは「システム1」に支配されています。
SNSのアルゴリズムは、巨額の資金を投じて私たちのこの「省エネ本能」をハックし、依存させるように設計されています。
「やめられないのは意志が弱いから」ではなく、「脳が省エネモードに引きずり込まれているから」。そう構造として理解しておくことが、自分を守る第一歩になります。
3. 💡 今日からできるアクション:AIによるクールダウン
意志の力だけで戦うのではなく、仕組みを使って「脳の向き」を変えてあげましょう。
SNSを開きたい衝動に駆られたら、開く前に一度生成AI(ChatGPTやGeminiなど)に話しかめてみてください。
「今、仕事終わりでヘトヘトで、SNSを無限にスクロールしちゃいそうなんだけど、どうしたらいいかな?」
こう質問するだけで、2つの効果があります。
- 「システム2」の起動: 自分の状態を言葉にするプロセスで、脳の主役が感情から理性へ切り替わります。
- 15秒の空白: AIの回答を待つわずかな時間が、ヒートアップした頭を冷やす「情報のポーズ」になります。
保健指導の現場でも使えるこの考え方、まずは皆様ご自身で試してみてくださいね。
それでは、良いゴールデンウィークをお過ごしください!のら保健師のネコケンでした。
次回は、なぜ「分かっていてもやめられない」のか。脳内の報酬系の仕組みと、物理的にスマホから離れるための環境設計術についてお話しします。






