のら保健師の独り言

常勤行政保健師歴28年の経験をもとに、行政保健師向けに役立つ情報を提供するブログです。特に新人~中堅まで気づきにくいけど知っておきたい周辺情報を積極的に発信しています。ぜひご覧ください!

その疲れ、情報のせいです|新人保健師のためのインフォメーション・ダイエット

皆さんこんにちは。のら保健師のネコケンです。

 

新人保健師の皆様、いよいよゴールデンウィークですね!


4月の怒涛のような業務量、新しい環境……。圧倒的な情報量に晒され、脳がヘトヘトに疲れ果てている頃ではないでしょうか?


まずはこの1ヶ月、本当にお疲れ様でした。

 

さて、今回も「脳のくせ」を知ることで、自分を守り、そして支援の質を高めるためのお話をしていきたいと思います。


今回のテーマは、「情報の質と選択(インフォメーション・ダイエット)」です。


1. その情報は「砂糖」か「プロテイン」か?

保健指導でも「食事の質」のお話をすることがあると思いますが、実は私たちが日々取り入れる情報にも、「GI値(血糖値の上がりやすさ)」のような指標があります。

 

  • 高GI情報(脳の砂糖):
    SNSのバズ、刺激的な速報、感情を煽る短い投稿。
    これらは脳を即座に刺激し、一時的な満足感を与えます。「分かった気」にはなりますが、すぐに集中力が切れ、さらなる刺激を求めて無限スクロールが止まらなくなります。
  • 低GI情報(脳の筋肉):
    体系的な書籍、専門的な論文、自分と向き合う内省。
    最初は「噛みごたえ」があり、少し億劫に感じるかもしれません。しかし、これらはゆっくりと吸収され、自身の「思考のOS」を確実にアップデートしてくれる一生モノの知恵になります。

 

疲れている時ほど、脳は手軽な「砂糖」を欲しがります。


しかし、大量のジャンク情報を摂取しても、脳の「飢え」は満たされません。むしろ認知的疲労が蓄積していくのです。

2. 脳の省エネモード:システム1の罠

人間の脳は本質的に「省エネ」が大好きです。


これを行動経済学者ダニエル・カーネマンは2つの思考モードで説明しました。

 

  • システム1(速い思考): 直感的で無意識、エネルギーを使わない「受動的」なモード。
  • システム2(遅い思考): 論理的で意識的、エネルギーを消費する「能動的」なモード。

SNSを眺めて反射的に感情を動かしている時、私たちは「システム1」に支配されています。


SNSのアルゴリズムは、巨額の資金を投じて私たちのこの「省エネ本能」をハックし、依存させるように設計されています。

 

「やめられないのは意志が弱いから」ではなく、「脳が省エネモードに引きずり込まれているから」。そう構造として理解しておくことが、自分を守る第一歩になります。

 

3. 💡 今日からできるアクション:AIによるクールダウン

意志の力だけで戦うのではなく、仕組みを使って「脳の向き」を変えてあげましょう。

 

SNSを開きたい衝動に駆られたら、開く前に一度生成AI(ChatGPTやGeminiなど)に話しかめてみてください。

 

「今、仕事終わりでヘトヘトで、SNSを無限にスクロールしちゃいそうなんだけど、どうしたらいいかな?」

こう質問するだけで、2つの効果があります。

 

  1. 「システム2」の起動: 自分の状態を言葉にするプロセスで、脳の主役が感情から理性へ切り替わります。
  2. 15秒の空白: AIの回答を待つわずかな時間が、ヒートアップした頭を冷やす「情報のポーズ」になります。

保健指導の現場でも使えるこの考え方、まずは皆様ご自身で試してみてくださいね。

それでは、良いゴールデンウィークをお過ごしください!のら保健師のネコケンでした。

 

次回は、なぜ「分かっていてもやめられない」のか。脳内の報酬系の仕組みと、物理的にスマホから離れるための環境設計術についてお話しします。

突発的な感情への対処法:メタ認知を育てる「90秒ルール」

 

こんにちは。ねこけんです。

 

4月ももうじき終了しますね。

 

新人保健師の方も、常勤のみなさんも、引き継ぎや年度初めのバタバタで、少しお疲れが出ている頃かもしれません。

 

なんとか乗り切っていきましょうね。


今回も、できるだけ現場の支援にも、そして「皆さん自身の心」にも役立つような内容をお届けしていきます。

 

今日のテーマは、「突発的な感情への対処(90秒ルール)」です。


これはいわゆるアンガーマネジメントに通じるお話ですが、怒り以外の不安や焦りなどにも当然使えるスキルです。

 

援助対象者にもそのまま使える内容なのですが、まずは「あなた自身」に使ってもらいたいと思っています。


保健師って実は、心理的なテクニックを自分には使わず、いきなり援助対象者に使おうとする傾向がけっこうあるんですよ。

 

でも、まずは自ら経験してみること。ご自身の「メタ認知」を育てるためにも、自分自身で試してみるプロセスがとても重要になります。

感情の賞味期限は「たった90秒」?

人間の脳は、ストレスや感情を強く揺さぶられるような出来事が起きた時、「自分の命が危ない!」と脳の扁桃体が反応し、感情を優位にします。

 

緊急事態に直面していると想定して、ドーパミンやアドレナリンといったホルモンを一気に放出するわけです。

 

ただ、驚くべきことに、こういったホルモンが体内で化学的に影響を及ぼす時間は「たった90秒程度」しかないと言われています。

 

この説を提唱してくれたのは、ハーバード大学出身の神経解剖学者であるジル・ボルト・テイラー博士です。

 

博士は1996年に自身が経験した重度の脳卒中という極限状態において、自らの脳機能が停止し再構築されていく過程を内部から観察するという、稀有な経験を記録しました。


その回復の旅路から導き出されたのがこの「感情の90秒ルール」です。

 

怒りや恐怖といった強烈な情動が、生物学的な強制力として身体を支配する時間は、わずか1分半に過ぎないのです。

なぜ私たちは「ずっとイライラ」してしまうのか

「でも、90秒なんて嘘だ!みんないつまでもイライラしたり、頭の中で同じことを繰り返して怒りや不安が収まらないじゃないか!」


そう思うのも当然です。

 

実はこれ、人間が恐怖や怒りを体験した時にやってしまう「自己再点火(脳内リプレイ)」が原因なんです。

生理学的なプロセスが90秒で終わるにもかかわらず、なぜ数時間、あるいは数日間にわたって怒りや不安を抱え続けるのか?


テイラー博士は、90秒を過ぎても感情が持続している場合、それは本人が(意識的か無意識的かを問わず)その感情を誘発した思考を脳内で「リプレイ」し続けているためだと指摘しています。

 

具体的には、怒りの原因となった相手の言葉を思い出し、「あの時ああ言えばよかった!」と反論を頭の中で構成するわけです。

すると、そのたびに前頭葉が再び扁桃体に信号を送り、新たな化学物質を放出させます。


つまり、「自分自身のストレス反応ボタンを、自分で何度も押し直している」状態なんですね。何度でも1人でドラマを演じ直しているのと同じです。

あなた自身にも経験があると思いますが、何度も反復して再点火をしていると、コルチゾール(ストレスホルモン)も出始めます。


すると、いくら落ち着こうとしても、約20〜30分過ぎた頃にはコルチゾールの働きで脳の「前頭前野(理性)」の働きが弱められ、完全に感情優位のモードに落とされます。脳が緊急事態に備えて、論理的思考よりも感情での逃避を優先させるからです。


この悪循環に陥ると、頭の中で思考がぐるぐるして全く収まらなくなります。

「90秒ルール」を利用して悪循環から抜け出す方法

では、この状態から抜け出すにはどうすればいいのでしょうか?


共通して言えるのは、「一旦強制的に、脳の前頭前野(理性)を活発化させるアクションを取る」ことです。

 

これにより、扁桃体の感情優位の状態から理性的な状態へ引き戻そうとする力が働きます。

提案1:感覚の言語化とラベリング(Affect Labeling)

たとえばSNSや現場の対応でイラッとした瞬間、対象から離れ、「感情そのもの」ではなく「身体に起きている事象」に名前を付けます。

  • 「私は今、胸が熱くなっている」
  • 「心拍が速くなった」
  • 「手が少し震えている」
    このように声に出すか、心の中で明確に言語化して実況中継します。

提案2:物理的距離の確保と環境的な「90秒のポーズ」

怒りを感じたトリガーから物理的に離れ、感覚入力をリセットします。

  • 怒りを感じた瞬間にスマートフォンを別の部屋に置く。
  • 立ち上がって窓の外を見る。
  • コップ一杯の水を飲む(その際、水の温度や喉を通る感覚に100%の意識を向ける)。
    そして、ただ90秒が過ぎるのを待ちます。

(もちろん、生成AIに今の感情と事実を打ち込んで客観的に相談してみる、という手段も前頭前野を使うので非常に有効です)

まとめ:動物的反応であって、あなたの「人格」ではない

これは一つの練習なので、すぐには上手くできないかもしれません。しかし、繰り返すことが確実に練習効果を生み出します。

 

くれぐれもやってはいけないのは、「いつまでも怒っている自分はダメな人間だ」と、自分の人格否定に繋げてしまうことです。

これは単なる動物的な脳の反応(ホルモン)です。
「1、2回やってダメだった」と諦めるのではなく、「使いこなすまでに3年くらいかかるかも」といったゆったりした気持ちで試してみてください。

 

そうやって自分自身でメタ認知を育てる練習をしていると、いざ援助対象者にお伝えする時にも、自信を持ってこのやり方を勧めることができるようになります。(援助対象者は、自分を責める人が多いですよ🐱)

 

それは間違いなく、あなた自身の大きな「成長する力」になっていくはずです。

 

それでは、今日もほどよくご機嫌でいきましょう。

新人保健師の“先延ばし”を攻略する!脳のハードルを地面まで下げる1%の行動術。

こんにちは、還暦保健師のネコケンです。

4月の第1週、いかがお過ごしですか?

新しい職場、慣れない環境。きっと今、このブログを読んでいる新人保健師のあなたは、目の前の膨大な業務量に圧倒されているのではないでしょうか。

今はバタバタしていますが、そのうち

「先輩に指示された記録が終わらない」

「対象者への電話一本が、どうしても億劫で後回しにしてしまう」

「家に着いたら泥のように眠ってしまい、やり残した仕事に罪悪感を感じる」

そんな時期が必ずやってきます。

 

事前に知っておきたいこと

そんな自分を、「私は甘えている」「保健師に向いていないのかも」と責める必要はありません。

今日は、30年現場を歩いてきた私から、あなたに一番伝えたい話をします。


その「めんどくさい」「動けない」という感覚は、あなたの性格のせいではなく、純粋な「脳の仕組み」の問題 なのです。

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1. 「めんどくさい」は、心の筋力低下です

あるポッドキャストを聞いていた時、「行動することは筋力と同じだ」とおっしゃっていました。


私もこれには深く同意します。

 

ちょっと億劫だな、と思うことをエイッとやってみる。


この「小さな行動」を繰り返すことで、心の筋力は鍛えられ、耐性がついていきます。


逆に、やらないで放置し続けると、心の筋力はどんどん落ちていき、ますます動けなくなってしまうのです。解決策は、この後示します。

 

新人時代は、そもそも慣れない仕事で脳のエネルギーを使い果たしています。


いわば、毎日フルマラソンを走っているような状態。


だから、筋力が一時的に落ちて「動けなくなる」のは、生理現象として当たり前のことなのです。

 

 2. ハードルを「地面スレスレ」まで下げる技術

「動かなきゃ」と思うほど動けなくなるのは、あなたが真面目で、無意識に「100%完璧に終わらせる」という高いハードルを設定しているからです。

 

そんな時は、ハードルを地面まで下げてしまいましょう。

 

私が今でもやっている秘策を教えます。小さなステップでやっていく事です。

例えば

それは、「布団の中から一分だけ手をつける」という方法です。

「今日はもう無理、一歩も動けない」という朝や夜。


布団の中で寝転んだまま、スマホでほんの少しだけ作業をします。


・ 関連する資料を一行だけ検索する
-・音声入力で、今のモヤモヤや、記録に残すべき一文をブツブツ喋ってメモする

これだけで、あなたのタスクは「0から1」へ進んでいます。


「あ、少し手がついた」という感覚が、あなたの自己肯定感を守り、次のステップへ進むための呼び水になります。

 

 3. 「一旦終了!」と決める勇気

保健師の仕事は、オープンループ(やりかけの仕事)だらけです。
でも、脳のメモリには限界があります。


「あれもやらなきゃ」「これ、どうしよう」と考えながら寝ても、脳は休まりません。

そんな時は、心の中で「一旦終了!」と唱えてください。

 

それは前回の記事でもお話した「注意の残留」の影響です。

nekoken2022.hatenablog.com

 


「今日はここまでやったから、寝る!」と決めた自分に嘘をつかない。


くよくよ悩むくらいなら、寝ることに全集中する。

 

この「決めて休む」力も、専門職として長く健康に働き続けるための大切なスキルです。

 

そして対人援助スキルにも直結していきます。

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最後に:あなたは一人じゃない

新人保健師のあなたが感じている「だるさ」や「めんどくささ」は、あなたが人間である証拠。


そして、その仕組みを知り、道具(スマホやAI、音声入力)をうまく使いこなすことで、その壁は必ず乗り越えられます。

 

無理をして100点を目指して燃え尽きるのではなく、「ほどよくご機嫌」に。


まずはほんの少しだけ進めてみることから始めてみませんか?

 

あなたのことを、心から応援しています。

 

どこかの回でケースワークにも、自分の健康管理にも役立つ脳科学をやりましょう。

 

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著者:ネコケン
還暦を迎えた現役保健師。30年の現場経験とAI活用術を掛け合わせ、専門職の「余白のある生き方」を発信中。

新人保健師が「消耗」しないためのタスク管理術:脳科学が教える「注意の残留」の防ぎ方

こんにちは、ねこけんです。

 

いきなりですが、大切なことをお伝えします。

 

「タスク管理ができない保健師は、確実に消耗します。」

 

これは脅しではありません。

 

新人であっても、ベテランであっても同じです。

 

保健師の仕事は、あなたの想像以上に「脳」を酷使するハードな環境だからです。

 

今回は、あなたが現場で潰れないために、

 

そして「いつもニコニコして仕事してますよね」と言われるような余裕を持つために、絶対に知っておくべき究極のタスク管理術をお話しします。


なぜ、保健師の仕事は「覚えきれない」のか?

職場に配属されて3ヶ月も経てば、怒涛の仕事量があなたを襲います。


特に経験者として入職した方は、さらに早い段階で大量のタスクを任されるでしょう。

 

「何をやっていたか思い出せない」
「タスクが多すぎて、もう辞めたい」

 

そう思うのは、あなたの能力が低いからではありません。


保健師の仕事特有の「分断」が原因です。

  • 集中している時に限って電話が鳴る
  • 突然、緊急の相談が入る
  • 優先順位が外部要因でコロコロ変わる

こうした環境で、普通の人間が「記憶」だけで仕事を回すのは、物理的に不可能なのです。


知っておくべき脳の罠:「注意の残留」

ここで一つ、重要なキーワードを覚えてください。

ソフィー・ルロイ博士が提唱した、「注意の残留(Attention Residue)」という理論です。

これは一言で言うと、

「前の作業や嫌な出来事が、今の作業中も脳のメモリを占有し続ける現象」
のこと。

相談電話で仕事が中断された時、あなたの脳には「さっきまでやっていた仕事」の欠片が残り続けます。

 

これが脳のワーキングメモリ(作業台)をジワジワと占領し、新しい仕事のパフォーマンスを劇的に下げてしまうのです。

 

人間が一度に扱えるメモリは、たったの4〜7つ。
「やりかけ」を放置するだけで、あなたの脳のパワーは半分以下になってしまいます。


解決策はシンプル。すべてを「脳の外」に出す

脳のメモリを解放するためにやるべきことは、たった一つです。

 

👉「すべてをデジタルに書き出す」

 

アナログの手帳も悪くありません。

 

しかし、大量のタスクが降り注ぐ現場では、アナログはすぐに限界が来ます。

 

ページは埋まり、検索もできず、結局「何がどこにあるか」を思い出すためにまた脳の

 

メモリを使ってしまうからです。

 

今の時代、できる限りデジタルシフトしましょう。

  1. その日のタスクをすべて書き出す。
  2. 中断する時は「どこまでやったか」だけメモする。
  3. 終わったら「完了」として脳から消去する。

これだけで、脳の「オープンループ(やりかけ状態)」が閉じ、メモリが劇的に軽くなります。


魔法の言葉「一旦終了!」

私が現役の頃、後輩から「ねこけんさんはいつもニコニコしていますね」と言われていました。

 

実は、特別な才能があったわけではありません。

 

一つの作業を終えるたび、あるいは中断せざるを得ない時、私は心の中で(あるいはメモに)こう刻んでいました。

 

「一旦終了!」

 

次にやるべきことを一言添えて、脳のスイッチを強制的にオフにするのです。

 

これだけで、次の相談者が目の前に来た時、100%の力で向き合うことができます。


今日からできるワンアクション

まずは、A4のノートでも、職場のWordファイルでも構いません。

 

「今、頭の中にある気がかり」をすべて書き出してみてください。

 

これだけで、驚くほど心が軽くなるはずです。

慣れてきたら、ToDoリストなどのツールを使い、検索可能な「第2の脳」を作っていきましょう。

 

タスク管理は、単なる効率化ではありません。

あなたの「メンタルヘルス」を守るための、最強の防衛策なのです。

 

自分を追い込まず、道具を使い倒して、ほどよくご機謙に働いていきましょう。

ネコケンでした。
🐾

 

 

現在は、noteでも執筆しています。50代60代向けの記事ですが、保健師視点が随所にはいっているので読んでいただくと参考になるはずです。

note.com

 

 

こちら僕の保健師の未来を描いた予言の書になっています。多分あたります。

nekoken2022.hatenablog.com

こちらは保健師に足りないケースワーク力でなく自分ワーク力について書いています。

nekoken2022.hatenablog.com

 

【新人保健師の罠】「私、実力不足かも」その不安の正体は誠実さの証です

 

 

こんにちは、のら保健師のネコケンです。

1月は少しお休みをいただいておりましたが、今日からまたボチボチと、日々現場で戦kう皆さんに役立つ情報を発信していこうと思います。

さて、今日はちょっと「心」の、でもすごく「科学的」なお話をします。

「自分は周りが思っているほど優秀じゃない」
「いつか自分の実力不足がバレて、詐欺師だと思われるんじゃないか」

新人保健師として働き始めて1〜3年目くらいの方から、こんな相談をよく受けます。実は、僕自身もそうでした。

結論から言いましょう。
その不安を感じているあなたは、極めて「優秀」で「誠実」な保健師である可能性が高いです。


🔵【その不安には“名前”があります → インポスター症候群】

心理学の世界では、この感覚を 「インポスター現象(症候群)」 と呼びます。

最新の研究(2025年のメタ分析)によると、医療専門職や高達成者の 約62%〜80%以上 が、人生のどこかでこの「自分は詐欺師だ」という感覚を抱くことが分かっています。

つまり、
「自分はダメだ」と思っているのは、あなた一人じゃない。
むしろ、現場で一生懸命に責任を果たそうとしている人ほど、この穴に落ちやすいんです。

また、援助対象者にも沢山います。


1. 【あなたはどのタイプ?】保健師に多い5つの有能感タイプ

心理学者のヴァレリー・ヤング博士は、このインポスター感情を5つのタイプに分類しています。
保健師の現場あるあるで見てみましょう。

  • ① 完璧主義者(Perfectionist)
    「記録は100点じゃないと気が済まない」「わずかなミスも自分の無能さの証拠だ」と感じてしまう。
  • ② スーパーマン/ウーマン
    「相談も、事務も、地域活動も、全部一人で完璧にこなさなきゃ」と自分を追い込む。
  • ③ 生まれついての天才
    「一度聞いて分からないのは才能がないからだ」と、努力が必要なことに自己嫌悪を感じる。
  • 孤高の人(Soloist)
    「他人に助けを求めるのは負け。自分の力だけで成し遂げないと価値がない」と思い込む。
  • ⑤ エキスパート
    「関連法規もエビデンスも、全部知っていないと人前に出る資格がない」と、いつまでも自信が持てない。

どうでしょう? 一つくらい当てはまるものがあるのではないでしょうか。


2. 【成功を“運”と言い張る心理メカニズム】

インポスター感情が強い人の特徴は、 「成功の外部帰属」 です。

「今回、相談者さんに感謝されたのは、たまたま運が良かっただけ」
「先輩がフォローしてくれたからで、自分には実力がない」

こうして成功を「外の要因」に押しやり、失敗だけを「自分の無能さ」として内面化してしまう。
この「認知の歪み」が、どれだけ実績を積んでも自信が貯まらない原因です。


3. 【インポスター現象は“誠実さ”の裏返し】

でも、ここで気づいてほしいことがあります。

「詐欺師だと思われるかも」と怯えるのは、あなたが 「対象者さんに最高の支援を届けたい」 と心から願っているからです。
いい加減な仕事をしていれば、そんな不安は湧きません。

インポスター現象は、あなたの「志の高さ」と「誠実さ」の裏返しなんです。


4. 【今日からできる!認知の書き換え】

もし「自分はダメだ……」という波が来たら、こう考えてみてください。

「あ、今、脳が『インポスター・サイクル』に入ったな」
「この不安は、僕がこの仕事を大切に思っている証拠だ」

客観的なデータ(感謝の言葉や、完了した事務の数)を、素直に「自分の貢献」として受け取る練習を少しずつ始めてみませんか?


5. 【まとめ】

  • 専門職の8割が経験する「自分は偽物」という感覚。
  • それは無能さではなく、 「誠実さ」 のサイン。
  • 成功を「運」ではなく 「自分の努力」 に紐付けよう。
  • 完璧じゃなくても、あなたはそこにいる資格がある。

💬【最後に】

「私はこのタイプかも!」「この記事を読んで少し楽になった」など、
感想や皆さんのエピソードがあれば、ぜひ教えてくださいね。
皆で智恵を共有して、しなやかな保健師人生を歩んでいきましょう。

(ネコケン)


 

こちら僕の保健師の未来を描いた予言の書になっています。多分あたります。

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こちらは保健師に足りないケースワーク力でなく自分ワーク力について書いています。

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「記録」は事務作業じゃない!新人保健師に伝えたい、未来の自分を助ける「スマート記録術」

 

こんにちは、のら保健師のネコケンです。

今日は、日々現場で奮闘中の1〜3年目の新人保健師の皆さんに、とても大切なテーマについてお話ししたいと思います。

それは「記録」です。

 

「忙しくて記録まで手が回らない」「記録はただの面倒な事務作業」…そう感じている方も多いかもしれません。ですが、断言します。

 

記録は単なる事務作業ではありません。

 

あなたのスキルアップの基盤となり、チームでの連携を深め、そして何よりも、援助対象者への支援の質を左右する、まさに「未来のあなた」への贈り物なのです。

 

今回は、忙殺される日々の中でも実践できる、リスク管理を意識した「スマート記録術」と、記録がもたらすメリットについて、私自身の経験も交えながらお伝えします。


1. 記録は「未来のあなた」への贈り物

なぜ、忙しい中でも記録を書き続けるべきなのでしょうか? それは、記録があなたの保健師としての成長に不可欠だからです。

スキルアップの土台を築く

「今日のケース、どうアセスメントしたっけ?」 「あの時、なぜこの支援を選んだんだろう?」

 

記録は、あなたの経験を言語化し、客観的に振り返るための「鏡」です。

 

自分のアセスメントや思考プロセスを文字に残すことで、何が足りていなかったのか、どうすればもっと的確な支援ができたのかを冷静に検討できます。

 

この「言語化」の積み重ねこそが、確かなアセスメント能力へと繋がります。

② 上長との連携を強化する

記録を元に上長にチェックを受け、フィードバックをもらうことは成長への近道です。

時には上長のアセスメントと自分の判断が違うこともあるでしょう。

そんな時こそ「なぜそのアセスメントに至ったのか?」「自分の視点が足りていない点はどこか?」を検討するチャンスです。

(経験を積むと、どうしても自分の経験則だけで判断してしまいがちです。柔軟な視点を持ち続けることは、ベテランになっても大切なんですよ。)

③ ケースワークの質を向上させる

一番困るのは、援助対象者から急な連絡があった時、今までの経過が分からないこと。これでは信頼関係も崩れてしまいます。

 

自分たちがどのような意図で援助を行ってきたか、

その目的やアセスメント、今後の計画がきちんと記録に残っていれば、いつでも振り返りができ、担当者が不在でも組織として一貫性のある支援を提供できます。

④ 脳の負荷を軽減し、安心感を生む

頭の中にごちゃごちゃと残っている情報を一度記録に起こすことで、「覚えておかなくちゃ」という脳の負荷が軽減されます。(自身のメンタルヘルスにも貢献します)

 

記録を終えた瞬間、「よし、書き残したから大丈夫!」と安心感が生まれ、気持ちを切り替えて別の業務に集中できるはずです。

私の場合、記録に残すことで「忘れても大丈夫」という安心感を得て、次の仕事に向かうようにしています(もちろん、大事なことは忘れちゃいけませんが!笑)。


2. 「忙しい」を乗り越える!スマート記録術

「分かってはいるけど、本当に時間が…」 そう感じる方へ。僕や友人が実践している、時間を捻出するための工夫をご紹介します。ただし、情報の取り扱い(コンプライアンスには最新の注意を払いましょう!

① 「移動時間」や「スキマ時間」を思考の整理に使う

訪問先からの帰り道、庁舎に戻ってから「さあ、何を書こう?」と考えていては時間がもったいないですよね。移動中は「脳内下書き」のゴールデンタイムです。

例えば、帰りの公用車の中(もちろん停車中)や、公共交通機関での移動中に、自分用のメモ帳やスマートフォン「記録の構成案(キーワード)」だけをメモしておきます。

 

【⚠️超重要!セキュリティの注意点】 個人のスマホや手帳を使う場合は、個人情報(氏名、住所、特定できる固有名称など)は絶対に書かないのが鉄則です! あくまで「アセスメントの視点」「提案した内容の骨子」など、抽象的な構成案を作るだけに留めましょう。

これだけで、デスクに戻ってからの入力スピードが爆発的に上がります。 また、最近は業務用タブレットが支給されている自治体も増えています。

 

セキュアな環境があるなら、現場近くの安全な場所で音声入力を活用するのも手です。使えるツールはルールを守って賢く使い倒しましょう。

② 音声入力とAIを味方につける

思考の整理には、音声入力も有効です。思いついたアセスメントの視点をその場で音声入力すれば、思考のスピードでメモが取れます(これも周囲に人がいない安全な場所で行ってくださいね)。

 

また、最近では自治体用のセキュアな生成AI(LGWAN対応など)も登場しています。 個人情報を完全に伏せたメモ(「A氏」や「対象者」等に置き換えたもの)をAIに入力し、「整った文章にリライトして」「読みやすく要約して」と指示するだけで、驚くほどの時短になります。

 

デジタルツールは「時間と手間を取り戻すための相棒」です。恐れずに、まずは組織のルールの中で使えるものから試してみましょう。


3. 記録を怠ることの代償

もし記録を疎かにしてしまうと、どうなるでしょうか?

  • スキルアップの停滞 経験は積めても、それが言語化・客観視されなければ、単なる「体験」で終わってしまいます。「数年経験してもスキルが積み重なっていない」という状態になりかねません。

  • 自分と組織を守れない(重要!) もし訴訟などのトラブルになった際、唯一の証拠となるのが「記録」です。「やったつもり」では通用しません。記録は、あなた自身と、所属している行政組織を守るための命綱でもあるのです。


4. 日頃から「振り返り」ができる体制を

記録は、単なる情報伝達のツールではなく、常に自己を振り返るための大切なプロセスです。

  • 「教科書レベル」で俯瞰する視点 忙しい時こそ一度立ち止まって、教科書レベルの基本に立ち返って俯瞰してみる。記録には、その際に気づいたことや、検討したプロセスも残しておきましょう。(書きすぎない事も大事です)

  • 同僚とのディスカッションの材料に 記録があることで、「教科書的にはこうですが、現場ではどう捉えるべきでしょうか」など、具体的な相談ができるようになり、あなたの成長を後押ししてくれるはずです。


【最後のひとこと】

保健師の皆さんは、本当に多忙な毎日を送っていることと思います。 ですが、記録は「面倒な作業」ではなく、「未来の自分と、何よりも大切な援助対象者のための投資」です。

 

「忙しい」を言い訳にせず、情報セキュリティを守りながら、今回ご紹介したような工夫で賢く記録をつけていきましょう。

今日から少しだけ、記録に対する意識を変えてみませんか? その小さな一歩が、あなたの保健師としての大きな成長に繋がることを願っています。

それでは、今日もよい一日を。

 

(ネコケン)

 

こちら僕の保健師の未来を描いた予言の書になっています。多分あたります。

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こちらは保健師に足りないケースワーク力でなく自分ワーク力について書いています。

nekoken2022.hatenablog.com

 

保健師学生・新人保健師必見! AIを使う保健師と使わない保健師で“確実に差がつく”理由

 

 

こんにちは、のら保健師のネコケンです。

以前から


「記録が終わらない」「相談が多くて整理が追いつかない」
そんな声を本当によく聞きます。

 

結論から言うと──

その悩みは “AIを使うかどうか” で、数年後に大きな差になります。

そして今回もう一度こうして“AIの話”を書いているのには理由があります。

 

🔵【なぜ、またAIの記事? → 理由はただひとつ】

AIが“別の段階”に進化した瞬間を目の当たりにしたからです。

これまでは
「ひとつ質問すればひとつ答えが返るAI」
でした。

 

ところが、ここ数ヶ月で
AIが複数のタスクをつなげて自動で動く“連続処理”を普通にこなすようになった。

まるで“もうひとりの職員が横で動き続けてくれる”ような感覚。

 

長く行政で働いてきた私でも、
「これは働き方そのものが変わる」とハッとしました。

 

だからこそ今、
学生さん・新人さんに“このタイミングの変化”を知ってほしい。
その思いでこの記事を書いています。

 


1. 【ルーティン業務×AI】

保健師の“事務の重さ”はAIで確実に軽くなる

GoogleMicrosoftなどのAIは、
文書作成・記録の整理・要点抽出を自動化できる時代に入りました。

そして最近の進化は特に大きい。

AIが「単発の回答」から「連続タスクの処理」へ進化している。
この変化が、行政の事務作業に直接影響します。

 

自治体システムにも、今後こうしたAI機能が次々と組み込まれていきます。

AIが得意なのは、保健師が毎日抱える“定型作業”。

  • 記録の草稿チェック
  • 抜けているアセスメントの指摘
  • 意味が曖昧な文章の修正
  • 個別支援計画の整理
  • 相談内容の分類
  • ケース経過の要点抽出
  • 報告書サマリーの生成

これらは、人間が手でやる必要がない部分です。

AIが下地をつくり、保健師が判断する。


この形がスタンダードになります。


2. 【忙しい人ほどAIを使うべき理由】

「時間がないから使えない」は逆。
AIは“時間を取り戻す技術”です。

「訪問が多くて記録が追いつきません」
「残業になるのがつらいです」

保健師に多い悩みです。

 

でもこれは、
“全部自分でやろうとする前提” だから起きています。

たとえば…

  • チラシの文章案 → AIで10分
  • 記録整理 → AIがカテゴリ分け
  • 個別支援計画案 → AIがたたき台を生成
  • 家庭訪問の振り返り → AIが要点を抽出

これだけでも、時間の余白が生まれます。

 

浮いた時間は、

  • ケースワーク
  • 家庭訪問
  • 住民支援
  • 職場内の調整
  • 自己研鑽

に回せる。

つまり、
AIは「あなたの時間を増やすツール」。


3. 【プロンプトは難しくない】

AIは“上手に聞く必要”がありません。
シンプルでいいんです。

 

よく聞かれるのが、

「プロンプトが難しそうで心配です…」

でも、最初から完璧な質問をつくる必要はありません。

まずはこんな感じでOK。

「健康相談で困ったケースがあって…」
「どんな記録にすればいいですか?」

これだけでAIは答えてくれます。

さらに、

「今の回答をもらうには、どんな聞き方がよかった?」

と尋ねると、AIがあなたの聞き方を整えてくれます。

 

触れる → 少し慣れる → 仕事に組み込む
この順番で十分です。


4. 【AI時代の保健師に必要な力】

“境界をまたぐ力”が、大きな差になる

AIが進化するほど、
保健師が担当するのは 人間にしかできない領域 へシフトしていきます。

特に大切なのは次の3つ。


◆① 人の“揺れ”を感じ取る力

AIが情報整理を補助してくれる分、
あなたは人間の微妙な変化に気づく余裕が生まれます。

  • 係の空気
  • 同僚の疲れ
  • チームの負荷
  • トラブルの予兆

こうした“場の揺らぎ”を感じ取る力は、AIにはありません。


◆② マニュアル改善能力

AIにマニュアルを読ませると、

  • 曖昧な箇所
  • 抜けている視点
  • 矛盾

が次々と見えてきます。

結果、
マニュアルは勝手に育ち、あなたの頭の中も整理される。

新人教育にも役立つスキルです。


◆③ “デジタル×アナログ”の両輪が回せる保健師は強い

行政現場は、今後ますます

  • 住民支援:アナログ
  • 事務効率化:デジタル

の構造が進みます。

「私はアナログ派で…」と避けるほど、
仕事が重く、遅く、つらくなる。

逆に、

デジタルで整える → アナログで寄り添う

この循環をつくれる保健師は、どの自治体でも高く評価されます。


5. 【まとめ】

AIは仕事を奪うのではなく、
“あなたの専門性を深める武器”になる

  • 定型業務はAIに任せて時短
  • 浮いた時間は「人に寄り添う時間」へ
  • AIとの対話が思考整理になる
  • マニュアル改善・連携強化にも役立つ
  • “デジタル×アナログ”の両立ができる保健師が強い

AI活用は、ITが得意かどうかとは関係ありません。


未来の保健師のスタンダードです。

 

今日から少しだけ触れてみれば、
あなたの仕事の風景は静かに変わり始めます。


💬【最後に】

「私はこんな場面でAIを使いたい」
「ここが不安」「すでにこう使っている」
そんな声もぜひコメントで教えてください。

学生さん・新人さん同士の学び合いにつながるはずです。

(ネコケン)


 

 

こちら僕の保健師の未来を描いた予言の書になっています。多分あたります。

nekoken2022.hatenablog.com

こちらは保健師に足りないケースワーク力でなく自分ワーク力について書いています。

nekoken2022.hatenablog.com