のら保健師の独り言

常勤行政保健師歴28年の経験をもとに、行政保健師向けに役立つ情報を提供するブログです。特に新人~中堅まで気づきにくいけど知っておきたい周辺情報を積極的に発信しています。ぜひご覧ください!

書籍「最期まで家で笑って生きたいあなたへ/小笠原文雄」を読んで(書評)サクッと読めておすすめ本(看取りについて知りたい一般の方にも)

1.一般の方が今回の記事を読むメリット
- ”看取り”について知ることで、避けられない死の迎え方の選択肢を増やすことで安心感が増える。
- 在宅医の選び方や在宅医療にかかる費用をイメージすることができる。
2. 保健師にとって今回の記事を読むメリット
- 地域で実際に起きている看取り期の在宅医療について短時間で土台を作る事ができる。

一般の方にもお勧めな看取り期の在宅医療についての本です!!

読者の中には看取りについて実際に悩んでいる方もいるかもしれません。私も老人ホームにいた母親を家族で看取りました。その経験を通じて、看取り期の医療についてもっと知っておけば良かったと感じました。

元気な時にもっと何かしてあげられたのではないかという後悔の念が残ります。幸いにも、老人ホームの看護師やヘルパーの方々がとても良かったので助かりました。

看取りに関する知識は、意識して探さないと得るのは難しいですよね。もしあなたが探しているなら、この本は役に立つかもしれません。

題名: 最期まで家で笑って生きたいあなたへ (なんとめでたいご臨終2) 
発刊:2023年03月16日頃
著者/編集 小笠原 文雄 
出版社:小学館

 

この本は、図書館で偶然見つけて借りました。「なんとめでたいご臨終」の続巻のようです。

この書籍では、直接亡くなる時の様子についてはあまり詳しく触れていません。むしろ、病院から帰宅して在宅で亡くなる本人やその家族がどのように楽しく、楽に過ごせるか、そして安心して療養しながら最期を迎えるかに焦点を当てています。

また、現在利用できる介護保険や訪問診療などの制度についても触れており、実際に病院で入院するよりも在宅での生活の方が費用面で具体的にどうなるのかを教えてくれます。

さて、かいつまんだ形になりますが、この書籍についてもう少し紹介しましょう。

在宅ホスピス緩和ケアとは?

在宅ホスピス緩和ケアは、自宅で最後まで笑顔で過ごし、穏やかに旅立つための医療ケアです。このケアの目的は、患者が自分の望む場所で最期を迎えることを可能にし、生活全般にわたる支援を提供することです。

①自然な形での旅立ちをサポート

見取り期の在宅医療では、患者の意思を尊重し、延命治療を望まない場合には救急車を呼ばず、自然な形での旅立ちをサポートします。

②患者の望む形で最期を迎えることができる

患者が死を意識した際に何を望むかを話し合い、その意思を繰り返し確認し、患者が最も望む形での最期を迎えることができ、家族も後悔することが少なくなります。

③患者は好きな事をしながら過ごすことができる。

看取り期の在宅医療では、飲酒や喫煙、仕事や旅行など、好きなことをしながら過ごすことが許されています。これにより、生きる気力が湧き、心温まる穏やかな最期を迎えることができます。在宅医療を受けた患者は、笑顔で長生きするケースも多く、家族もその選択を良かったと思えることが多いようです。

どのような理念で行われているか?

介護の負担を減らす10か条

では、ここで書籍にある”介護の負担を減らす10か条”を紹介します。以下の事を心がけていく事で、看取り期の患者と家族が安心してすごせるようにしています。

特に、在宅医療では家族が介護をする必要はありませんが、介護をしたいと考える家族もいます。以下の10か条を参考に、家族の負担を減らしましょう。

 

1. 介護保険を上手に使う

介護保険を活用することで、買い物や金銭的負担、身体的負担を軽減できます。

2. ACP(人生会議)を繰り返し行う

 患者の希望を確認し、家族と話し合うことで、お互いが笑顔で過ごせます。

3. PCA(患者自己調整鎮痛法)を行う

   患者が自分で痛みを管理できるようにし、医師や看護師を呼ばなくても痛みを軽減できます。

4. 夜間セデーションを行う   

夜間に熟睡させることで痛みを和らげ、自律神経を整えます。

5. 尿道留置カテーテルを検討する

 トイレに行く必要がなくなり、オムツ交換の回数が減ることで家族の負担が軽減されます。

6. タッチパネル式テレビ電話を使う

   24時間対応のテレビ電話で安心して家にいられる環境を整えます。

7. 教育的在宅緩和ケアをお願いする

 経験豊富な医師やチームによる在宅緩和ケアで、家での生活を支援します。

8.多職種協働のキーパーソンに相談する

  多職種が協力し合い、質の高い在宅医療を提供します。

9. 情報共有アプリを活用する

チーム間の情報共有をスムーズにし、家族も閲覧・書き込みができるようにします。

10. 心のケアで支える

 笑顔や温かい気持ちを保つように、心のケアを大切にします。

家族の負担を軽減し、患者が自宅で穏やかに過ごせるようにしてくれます。

 

書籍の中では、訪問診療医の選び方も記載してくれています。この書籍の中では

在宅医療のいいところは
最後まで家にいたいという願いが叶うこと
・自由があること、
・癒しがあること、
・気がよく感じられること
入院よりもお金がかからないこと、
・介護は人に任せられること

とも述べてくれています。

書籍はとてお明るく、わかりやすく、親身になって語り掛けてくれるような雰囲気があふれ、かつ具体的に教えてくれます。

心不全の方も訪問診療が有効

私は知らなかったのですが、心不全の在宅医療は専門知識が必要なため、あまり広まっていないようです。心不全になると苦しいだけでなく、入院を繰り返すことで医療費もかさみます。

著者は、心不全は身近な病気であるためこそ、患者が在宅医療を受けるメリットや在宅医がそのノウハウを知ることの重要性を訴えています。著者の経験では、教育的在宅緩和ケアで支え合えば、心不全の専門でなくても、病院での臨床経験が5年以上ある医師ならほとんど対応できると述べています。そのような知識がこの本には記載されています。

保健師にとっては?

行政保健師としての経験と在宅看取りについて

行政保健師として勤務していた際、直接看取りに関与することはありませんでしたが、住民から看取りに関する相談を受けることが何度かありました。私自身も母を看取った経験があり、その後、約15冊の関連書籍を読んだので、わかりやすいと思った本を住民に紹介したことがあります。

直接の相談ではなくても、このような話ができること自体が、援助対象者やその家族からの信頼につながります。また、地域包括支援センター保健師と連携する際、援助対象者の家族が看取り期にある場合もあり、広い意味で看取り期の在宅医療の周辺関係者としての役割を果たしていたかもしれません

保健師にとって、看取りについての知識を持っていることは非常に重要です。この書籍は、保健師が在宅での看取りについて学ぶために非常に有用です。特にACP(アドバンスケアプランニング)について詳しく説明されています。ACPという言葉を初めて聞く方も、この書籍を通じてその重要性を理解することができます

私自身、常勤の行政保健師として勤務していた時には、ACPに直接関与することはありませんでしたが、今後は行政保健師にとっても知っておくべき重要な内容となるかもしれません。特に地域包括支援センターで働く保健師にとっては、より身近なテーマとなるでしょう

これから看取り期の看護を学びたい方には、この書籍は知識の土台として非常に有用です。他の本を読む前の入門書としてもお勧めです

まずは、図書館でこの書籍があるか確認してみてください。短時間で読める内容なので、ぜひお勧めします。

これから「なんとめでたいご臨終」も読んでみます。読みましたらまたブログにて報告しますね。

 

 

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ーネコケンー