:contents]
1. 一般の人には
-仕事に役立つ頭の使い方学ぶ事ができる、もってこいの一冊。沢山の実用書よりまずこの一冊。
2. 保健師には
-対人援助職にとっては言葉の引き出しを増やすような一冊。また人間について知ることもできる一冊です。
勉強の本以上に仕事にも役にたちそう!
書籍名:「なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること 」
発売日: 2023年07月19日
著者: チームドラゴン桜(著)
出版社:東洋経済新報社
今回は「なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること」という書籍を紹介します。
この本は学生だけでなく、既に社会人になっている方にも非常に参考になる一冊です。対象は主に学生ですが、むしろ社会人こそが読むべき内容だと感じました。特に、頭の使い方に関するヒントが詰まっています。
私は仕事効率化に関する書籍をよく読みますが、本書は「どうしたら効率的に楽にできるか?」といったポイントにもしっかり言及しており、自分の学び方や努力の方法を見直すのに非常に役立ちました。
この本の特徴は、実際に勉強を始める前の心構えについて、根拠を交えて丁寧に伝えている点です。特に印象に残ったのは、「頑張れば結果が出る」という思い込みがある一方で、結果を出す人とそうでない人の最大の違いは「目的意識」にある、という部分です。漫画の中でも、「頑張る」という言葉を使わずに物事を考え、会話するシーンがあり、非常に共感しました。
本文には、東大生たちが「何時間勉強したか」という質問に対して、「時間に重きを置いていなかったから、何時間勉強したかなんて計っていない」と答える場面もあり、ここでも目的意識の重要性が強調されています。
最近も、ある東大卒のタレントが「つまらない仕事でも、どう効率的に進めるかだけを考えている。頑張ってとか努力とかは考えない」と言っていました。常にどうしたらよいかを主体的に考える必要があるのだと改めて感じます。
本書は、勉強を始める前の心構えやマインドセットについても教えてくれます。この心構えは、勉強だけでなく、仕事にも応用できるものです。私自身、仕事がうまくいった時期を振り返ると、目的が明確で、それに沿った努力をしていたことを思い出します。そのときは「頑張った」という気持ちは全くありませんでした。
もしかしたら、学生時代にこの心構えで受験勉強に取り組んでいたら、もっと偏差値が上がっていたかも…(笑)。
仕事効率化についても、主体的なマインドセットを身につけるために非常に良い書籍だと思います。本書は図書館でも借りられますので、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか?
保健師視点では?
保健師にとってこの本が参考になる理由は、以下の点にあります。
1.援助対象者の特有な思い込みや行動へのアプローチ
援助対象者の多くは、その方特有の思い込みや行動パターンを持っています。病気の症状として現れる場合もありますが、治療が進んだ方には会話を通じたアプローチが効果的になることが多いです。
2.合理的と思い込んでいるが無理のある目標
援助対象者の思い込みには、無理のある目標設定や「頑張ること」に固執するケースが少なくありません。これらの思考パターンを理解し、本人の行動が破綻する可能性を示唆しつつ、別の考え方を提案することが求められます。
しかし、保健師自身が多様な知識や表現方法を持っていない場合、毎回同じようなアドバイスになりがちです。また、援助対象者の長期的な視点でのアセスメントが不十分で、現状から将来状況が悪化するリスクを正確に捉えられない場合もあります。
たとえば、援助対象者が「頑張ること」に固執している場合には、より効率的で質の高い方法をアドバイスすることが有効です。また、高すぎる目標を設定しがちな方には、本書で紹介されている「二重目標の設定」(最大限の目標と最低限の目標を同時に設定する)を提案することもできます。
ただし、どのような援助もタイミングが重要です。援助対象者が受け入れる態勢を整えることがまず大切であることは言うまでもありません。
本書は、援助者自身の思い込みにも気付かせてくれる可能性があり、同時に“援助のための言葉を増やす”ための書籍でもあります。また、各章ごとに「ドラゴン桜」の該当部分が引用されており、一般の方の考え方と東大生の思考を比較して紹介しています。この比較は、まさに援助対象者に伝える際に役立つ要素となるでしょう。ただし、そのまま相手に伝えるのではなく、保健師自身が噛み砕いた形で伝えることが大切です。
こうした理由から、この本は保健師にとって非常に役立つ書籍だと言えます。
さらに、AmazonのKindle本であればトークバック機能を使って“聞く読書”も可能です。図書館でも借りることができるので、まずは一度読んでみることをお勧めします。
ーネコケンー
こちらもよろしく↓↓