今回は「なぜ高く買ってもらえるのか」の書評です!
発売日:2023年10月31日頃
著者/編集: 坂本洋介(著)
出版社: 同友館
この本は、なぜこのインフレに入った時代で商品の値上げをしても、消費者に商品を買ってもらえるか?そして、自分たちの会社で価格を決定していくことができるのか?を実例を紹介してくれています。
ちょっと複雑な思い出読んでいました。
ちなみに書籍の中の「第3章 事例に見る。高くても変われる。商品サービス」の項目を書き抜いてみると
①一番万人を狙わない
②顧客ではなくファンを作る。
③ファンからリピーターにする。
④人がやらない・やれない・やりたくないことをやる。
⑤世の中にある困りごとを解決する。
⑥自ら考え、自ら作り、自ら売る。
⑦商品種大量型から多品種少量型の転換⑧価格決定権を持ちたければそれを認めてくれる、いい会社と取引すること。
これらのことを一言で言いえば、「エンドユーザーの求めるものを提供する」ということだと思います。
昔から日本の家電メーカーがスマホなどの領域で外国の製品に負けてしまっているのはなぜかを考えていたけれども、私なりの20年ぐらい前からの見解というのは、エンドユーザーに対してきちっとマーケティングがなされていないということのスキルと思っている。シャープなど何でこんな製品を作ってくるんだろうと思うことも多々あった。職人芸はいいのだけれど、技術者がきちんとエンドユーザーに向かって物を作って来れたのか。高性能だったら売れるという盲信があったんじゃないかといつも思っていた。
もちろん別の要因としてデフレが続いて企業の競争力を落ちてしまったのもかなり響いているのはわかるけれど。今のアイリスオーヤマが大手の電気。メーカーの技術者たちがリストラ後に雇い、彼らが良い製品を生み出してきているところを見てみるともったいないと思う。大企業のおごりがあったのでもないかと思ってしまう。本当はスマートフォンも国産のメーカーを使いたいなと思っていたけれど、使いやすさで、外国メーカーの方が良いので、そちらを今は使っている。正直もっと頑張って欲しい。
そんなことをこの書籍を読みながら思っていました。
これからはAIが人間と共同でものを作っていく時代です。ただ、現在の生成AIは基本的に過去の蓄積のデータから回答を出しています。人間が特別に指示を出さない限り、新たな独立した研究は生み出さないし、人間が手伝ってあげないといけないことがたくさんあります。
そしてエンドユーザーである人間に使いやすさを提供するのは当面、難しいです。当たり前ですが体のない AI には感覚のデータがないので考えることが大変難しい分野だからです。しかも、触覚、嗅覚、味覚に関しては研究はまだそれほど進んでいませんし。
そのことから、まだまだ人間がエンドユーザーに対して利益になるものをどうしたらいいかという考え方をしていくことが必要になってくると思います。
もちろんデータ処理や解析はAIの得意分野です。人間と協力しつつ、エンドユーザーに魅力のある国産の製品を提供して欲しいものです。
ちょっと書評から離れてしまいましたが、この本の例の27社は、結局は対象となるエンドユーザーが必要とするものを売る事で力をつけていると思います。
ーネコケンー