❣️【チャチャっと読後書評】❣️ 今回は、 世界一やさしい依存症入門 やめられないのは誰のせい?

 

【チャチャっと読後書評】

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今回は、

世界一やさしい依存症入門 やめられないのは誰かのせい? (14歳の世渡り術)
松本 俊彦 著 河出書房新社

です。

 

で、いつものように出版社の書籍紹介でも載せようかと思ったけど、あまりにも内容なさすぎてワロタ。なので僕が概略を紹介すると

本書は概ね中学生を対象とした書籍です。内容はアルコールや薬物、自傷・拒食症、ゲーム等の依存症についての国立精神・神経研究医療センター精神保健研究所薬物依存研究所の部長の医師です。

事例をあげながら、わかりやすく依存症の事を説明してくれます。

対象は中学生向けということだけど、実際は”自分の中に強い不安を抱えていて(本人が気付いていない場合もあるが)、それ故に生きるのにつらさを感じている全ての人々”が対象です。きっとあなた自身の言葉にできない生きづらさの理由がわかるかもしれません。

といったところでしょう。

広く知ってもらいたいので、一部書籍から抜粋させてもらいます。

「薬物による快感を繰り返し求めてしまう人すなわち依存症になりやすい人は決して快楽のために薬物を使っているのではありません。どうしようもない悩みや苦しみ、心の痛みを抱えていて、薬物がそれを和らげてくれることを発見してしまった。和らぐのはほんの束の間に過ぎないのですが、それでも心にぽっかり空いた空洞を埋められるような気がして、手放せなくなるのです。
また、あまりにもつらい体験は、人との交流で自然に培ったきた気持ちを安定させる天然のドーパミン報酬体系を一瞬で壊してしまう。そういった人が、薬物によるドーパミンを体験すると、短期間で依存症になってしまうことがある。」

といった箇所。

つまり、大きな気持ちの苦しみを和らげる手段として、依存していきます。

つまり、依存症にありがちな誤解で快楽を得る為に依存してるわけではないという事です。

 

本書の対象が10代なので、当然相談する人がいない、あるいは親を困らせるかもしれないと、相談できないまま長引いていきます。相談しても、親も依存症の知識がないためショックでうろたえたり、どうしていいかわからない気持ちが怒りに変化したりして、相談できなかったり。

そんな状態のまま、時間がすぎて、20代になっても30代になっても続いている人もいます。

 

なので悩みを抱えている人は、本書を読んで欲しいですね。この本を親と読むことを勧めます。また、誰か一人の人に頼りきってしまうのもいけません。できる限り安全かつ安心できる人達を複数作ってください。一人の人だけだとタイムリーにあなたの事を相談できません。また話しも聞き続けるのは一人の人だけでは無理なので複数に分散させましょう。(24時間、話しを聞いてくれる相手にはAIなら可能かもしれません。ChatGPTは話し相手になります。時々、間違えたりします。親切で人間的です。)

安全で安心なの人達の中に必ず医療者を加えてくださいね。医療も進歩しています。著者がその窓口なんかも紹介してくれてます。

 

最後に、援助職も依存症について勉強するにあたり、この書籍は必携ではないかと思う内容。これ一冊では足りませんが、10代の難しい時期の事をきちんと解説してくれている依存症の書籍はあまりないので(最近は、発達障害の書籍が多いですよね。)抑えておくべきですね。依存症の勉強は援助者の力量を高く引き上げてくれます。もともと人を救いたい気持ちの強い方々なら、やはり読んでみるべきでしょう。