❣️【チャチャっと読後書評】❣️走る!居酒屋

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今回は"走る!居酒屋"

発売日:2023年10月
著者/編集:大政大祐
出版社:文芸社

 

一体どんな本なんだろうかと思って、手に取りました。読み始めると大変面白く、またとても勉強になりました。

"走る!居酒屋"という題名からわかるようにキッチンカーを利用した商売になります。ただ、違うのは実体店舗の居酒屋があり、そこで仕入れたものを利用してキッチンカーも稼働させる。そういった商売になります。

 

この本は居酒屋が現在置かれている状況というものがよくわかりました。利益率がとても低くなってきているといるんですね。利益率というのはもちろん儲けのことです。でも利益を上げたくても、クレジットカードをはじめ、現在ではキャッシュレス決済や食べログといったネットからの予約が入った際の手数料。あるいはタブレット注文などを導入した場合は、システム導入費及び手数料。そういったものがかかってくる。当然従業員のお給料もあげなくてはいけない。

だけれども居酒屋の支払いというのは基本的に4〜5000円ぐらいを目安にしていて、それ以上の料金を払ってもらうわけにもいかない。

そんな中で、この"走る居酒屋"を展開するにあたって、どういう経緯で始まったのか、詳しく伝えてくれている。

 

もともとコロナ前からキッチンカーの構想はあり、たまたまコロナの時期にキッチンカーが用意できていたので、かなり助かったようだ。また著者もいっているように。これは地方においては"走る居酒屋"という業態はとても重宝でありがたがられる。僕も全く気付かなかったんだけれど、離島で居酒屋が一軒もないような家でお祝いのパーティーをやるような際に、家のすぐそばに居酒屋のキッチンカーが来てくれると、とても楽しいものだと思う。実際、結構感謝されている。またちょっとしたイベントなんかでも、このキッチンカーは出動できて。かつ居酒屋本体も休むことなく営業ができるので一石二鳥というわけだ。よく有名店でも”イベント出店期間中で休みます”って貼りだしているの見ますよね。それがないわけ。

 

ただ、この居酒屋を営業する際にもしっかりとコンセプトがあって、楽しい空間で居心地の良い空間を提供する。家では作りにくいちょっと凝った料理を提供するという2つを譲っていない。そしてスタッフとお客の間で人と人とのつながりや様々なコミュニケーションが生まれる。スタッフにも当然もっと良いものをと思う。スタッフにも利用者にも飲食店に対しての魅力を感じるようになってくれる。この好循環を作り出せる。

 

たしかに隙間にうまく入っていけたことが、この業態の成功だと思う。でもコンセプトが途中でブレないこともとても大切なんだと思った。もちろんそのコンセプトが正しいものでないといけないので、事業を起こす前に十分に考えてやらなきゃいけないんだろうなと思う。

 

またこの本、大変読みやすいだけでなく、”事業展開していくにはどうしたらいいのか?”や”飲食業の現状か今後の展望もしっかりと伝えてくれている”点など。あまり知らない世界を知るということにつながって大変良かったと思っている。

是非皆さんにも読んでもらいたいと思う一冊です。